競艇の展示走行は、レース前に選手やモーターの調子を確認するための重要なテスト走行です。ライブ中継や公式サイトで確認でき、予想に活かすためのチェックポイントも解説しています。初心者でもわかりやすく紹介
展示走行の注目ポイント
ピット離れ
スタート位置に付く前に「場所取り合戦」が繰り広げられるので、出遅れがないか、ちゃんとスタート出来ているかを確認します
失敗してると実際のスタートで遅れる可能性があります。強引に割込を行う「イン屋」には注意しましょう。本番で助走距離が短くなりやすく、展開が荒れる事があります
スタート展示(ST)
本番のスタート前から駆け引きが始まっています
少しでも速いスタートを切る為に、ギリギリのツッコミを試みる選手、本番で同じ事が出来るように練習をする選手、ライバルと争う姿勢を見せる選手などなど色々な攻防が見られます
レースに懸ける選手の思いを推し量るのに、重要な指標となります

旋回
最初の内は見ていても違いが分かりにくいと思います。全速でコーナーに進入し、小さく回り、速い速度で立ち上がって行くのが理想なので、以下のポイントを見るようにしましょう
・全速でターンに入っているか
・ターンが外側に流れていないか
・艇がばたついていないか
・ターンの出口での加速具合はどうか
※強風などで波が高い場合は上手い選手でも波に煽らて判別が困難になります。出来れば強風のレースは荒れやすくなるので、避けた方が無難です
直前情報について
展示タイム
スタート展示が終わると周回展示に入りますが、2周目のバック側の直線150mのタイムが展示タイムです
速ければ、直線での伸びが良いという事。周回展示が終わった直後に発表されます
また各競艇場のサイトでは、より詳しい情報が掲載されている場合が多いです
チルト
ボートにモーターを取り付ける角度をチルトといい、チルトアジャスターという部品で調整します
取り付け角度が小さいほど出足が強くなり、逆に角度が大きくなるほど伸びが良くなるが、水面との接地面積が減るので旋回が難しくなります
2度以上のチルト角度を使用する選手は稀ですが、威力は絶大です
チルト角度は「-0.5度、0度、0.5度、1.0度、1.5度、2度、2.5度、3度」ですが、
競艇場によって使える角度に制限があります。詳しくは以下をご覧ください
競艇場 | チルト角度 | 競艇場 | チルト角度 |
---|---|---|---|
桐生 | -0.5°~1° | 戸田 | -0.5°~0.5° |
江戸川 | -0.5°~2° | 平和島 | -0.5°~3°(2.5°は無し) |
多摩川 | -0.5°~3°(2.5°は無し) | 浜名湖 | 制限なし |
蒲郡 | -0.5°~3°(2.5°は無し) | 常滑 | -0.5°~3°(2.5°は無し) |
津 | -0.5°~3°(2.5°は無し) | 三国 | -0.5°~3°(2.5°は無し) |
びわこ | 制限なし | 住之江 | -0.5°~1.5° |
尼崎 | -0.5°~3°(2.5°は無し) | 鳴門 | -0.5°~3°(2.5°は無し) |
丸亀 | -0.5°~3°(2.5°は無し) | 児島 | -0.5°~3°(2.5°は無し) |
宮島 | -0.5°~3°(2.5°は無し) | 徳山 | -0.5°~2° |
下関 | -0.5°~3°(2.5°は無し) | 若松 | 制限なし |
芦屋 | -0.5°~3°(2.5°は無し) | 福岡 | -0.5°~1.5° |
唐津 | -0.5°~3°(2.5°は無し) | 大村 | -0.5°~3°(2.5°は無し) |
プロペラ
新品に交換された場合のみ表示されます。調整は選手が行いますが高度なテクニックと長年の知見が必要で、一人前に調整できるようになるには最低でも4年は掛かると言われています
ただしプロペラに関して表に出る情報はあまり無いので、憶測の域を出ません。参考程度にとらえておけば良いでしょう
部品交換
選手自身が行います。上手い人は多少調子の悪いモーターでも整備力でカバー出来ますが、それでも調子が上がらないモーターもあります
部品交換された場合、直前情報に何を交換したのか表示されます
部品交換は調子が悪かった証ですが、交換後に必ずしも調子が良くなる訳ではありません
水面気象情報
天候・気温・風速・風向・水温・波高が発表されます
追い風の時は第1ターンマークに波がたまって水面が不安定になり、スピードをつけたターンが流れやすくなる
逆に向かい風の時はインの加速がつかず、まくり艇は風の抵抗を受けてサイドがかかり、スロットルレバーを握って回りやすくなる

