前回のあらすじ
先輩から教わった必勝法で競艇に挑むも、思うように結果が出ず落胆する智樹と宏
ファミレスで必勝法を検証し、3着の的中精度を上げればプラスになることに気づく
しかし、競艇の知識が全くないことを痛感し、勉強を始める決意をする
果たして二人は知識とデータを武器に、新しい必勝法を確立できるのか――
モンキーターン









再生ボタンが押されると、画面いっぱいに新しい世界が広がる。主人公・波多野が競艇選手を志し、ボートレーサー養成所へ入学する――。その瞬間から物語は一気に加速し、ライバルたちとの死闘、仲間との絆、そしてスタートの緊張感が次々と描かれていく
気がつけば智樹の目は、スクリーンに釘付けになっていた
「漫画原作のアニメだろ?」と軽く思っていたのに、そこには想像を超えるリアリティと迫力があった。スタートの一瞬に懸ける選手の呼吸や、ターン一つで勝敗が変わる緊張感――







妹の帰宅

合宿帰りの奈々が帰宅する。靴箱に並んだスニーカーを見て、ぱっと顔を輝かせた
「――智樹くん?」
お兄ちゃんの靴の隣に、見慣れた靴
奈々は思わずにっこり笑い、足早に2階へと駆け上がる
宏の部屋の前に立つと躊躇なくドアを開け、『ただいまー!……あれ、やっぱり智樹くんだ!』と声を上げた」
宏:「あっおかえり…合宿終わったんだ」
奈々:「うん、ただいま」
そう言うと、部屋に入ってくるなり当然のように智樹の隣に腰を下ろした
奈々:「それで、何してたの?」
髪をかき上げながら、テーブルに置いてあるノートをのぞき込み、チラリと【うなじ】を見せつける
突然の仕草に智樹は言葉を詰まらせ、鼓動が早くなるのを必死で抑える
智樹:「おかえり奈々ちゃん…お邪魔してます。ちょっと勉強してて」
奈々:「勉強?」
ノートの知らない言葉と数字を見て、目を細めながらニヤリと笑う
「何これ、学校の勉強じゃないよね?」
宏が苦笑しながら言った
「実はさ、競艇の研究をしてるんだよ」
奈々は眉をひそめて首をかしげる
「ふ~ん……競艇ねぇ。なんでそんな研究してるの?」
智樹が気まずそうに笑いながら口を挟む
「いやぁ、俺が先輩から“必勝法”ってやつを教わってさ。この前、二人でパチスロで勝ったんだけど、その金で試しに競艇場に行ってみたんだ」
奈々の目がぱちりと見開かれる
「へぇ…勝ったの?じゃあ、おごってよ。奈々、食べたい物があるんだ♪」
宏は肩をすくめ、苦笑混じりに答えた
「それが全然ダメでな。でもさ、俺たちの横でいきなり“800万”当てた女の人がいて…」
「800万!? ……すご!?」息を呑む金額に驚き、突然立ち上がる奈々
智樹も驚き混じりに頷く
「うん、その人、めちゃくちゃ上手くてさ……俺たち弟子入りさせてくれって、お願いしたんだ」
「えっ!?弟子入り……なにそれ、アニメの話?」思わず目を丸くして声を上げる奈々
宏は少し苦笑しながら続ける
「ただね、条件があってさ……来月までに持ち金を倍にしないといけないんだよ」
「へーぇ、で、出来るの?」
いきなり冷ややかな目線で問いかけられ、緊張が走る二人
智樹と宏は顔を見合わせ決意する
「……ここからが本当の勝負か」
果たして二人は、本当に必殺技を強化できるのか――





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