「競艇場で会いましょう|第3話 ヤベー女、現る【小説】

小説

前回のあらすじ

智樹が先輩から教わったという必勝法を試す為、戸田競艇場に来ていた二人
初めての競艇場で迫力に押されながらも、必勝法で舟券を購入し、勝負の7Rへ挑む
緊張と興奮が入り混じる中、いよいよレースが始まる

勝負の7R

最前列でレースを見守る。歓声の中、スタート展示のエンジン音が響き渡る――智樹と宏は、会場のざわめきと高鳴る鼓動の中、レース開始を待っていた

「さあ…始まるぞ!」
「うわ、心臓バクバクだ…」



智樹が叫ぶ
「おいおい、なんだよあの2号艇、来んな」
「1号艇踏ん張れー」
「5号艇も邪魔だー、来んなー」
「だぁ……外れた。今の、何倍だよ…?」

宏がすかさずスマフォで確認する「えっと、84倍だってよ」智樹は膝に手をつき、力が抜けたようにその場へへたり込む

ふと、二人の横にふわりと現れる人影

「きゃっ♪当たった!」
小さくガッツポーズを取る美貴の姿に、二人は目を丸くした

智樹の声は震えていた
「えっ、今の…当たったんですか!?」
美貴:「そうなの、当たっちゃったの」

ポケットから札束がはみ出している姿を見て、智樹は思わず生唾を飲み込みながら
「あの…幾ら買ったんですか?」

美貴は少し怪訝な顔で眉をひそめる
「えー、なんでそんな事聞くの?」
智樹:「いやだって、84倍だし、すげーなって思って…!」

美貴はクスリと笑い、手に持っていた舟券を見せる。「特別よ」

そこには「2-1-4 100,000円」と書かれていた。智樹は目を見開き、思わず小さくガタガタと震え、体が一瞬固まる
「は、は、は…800万…!?」

宏も息を呑む
「どうやったら、そんなことできるんですか!?」目を丸くして叫んだ

美貴はふふんという顔をしながら答える
「ちょっと運が良かっただけよ♪」

――しばらく、智樹と宏は口々に質問と驚きをぶつける

懇願する二人

二人は顔を見合わせ、息を整えると、どちらからともなく同時に頭を下げた
「弟子にして下さい!」

美貴は一瞬目を見開く。だがすぐに、にやりと笑みを浮かべる
「教えてあげてもいいけどー…条件があるわぁ」

二人は心臓が飛び出そうなくらいドキドキする
美貴は少し意地悪そうに続けた
「あなた達、いま幾ら持っているの?」

智樹と宏はお互い小声で確認し、額を告げる。
美貴は軽く頷き、にやりと笑う
「じゃ、その額を来月までに競艇で倍にして御覧なさい。
そしたら、考えてあげる」

二人の目が輝き、胸が高鳴る
競艇初心者の二人にとって難題ではあるが、二人は迷わず受け入れる覚悟を固めた
宏が頭を下げつつ、少し見上げながら、すかさず啖呵を切る
「あの、絶対来月までに倍にして見せますんで・・・そん時はお願いします」
「わかったわ、じゃあねー♪」

美貴が離れ際、宏は逃がすまいと、しつこく食らいつく
「あの、連絡先教えてもらえませんか?」

美貴は楽しそうにクスクスと笑いながら
「良いわよー、来月私をここで見つけられたらねー」

智樹と宏は目を輝かせ、力強く言い放つ
「絶対、見つけてみせます!」
「わかったわ、じゃあ頑張ってねぇ♪」

余韻に浸る美貴

払戻を済ませ、出口に向かう美貴は、勝負の余韻に浸る
「ふふっ…実は、6点買ってたのよねー。見せたのは1枚だけどー」

美貴は最初から二人をからかう為に、わざと1点づつの舟券に別けて
1-2-45に10万づつ、2-1-45に10万円づつ、2-5-14は3万円づつ購入していた

二人の様子を思い出しながら、クスリと笑う
「あの子たち、上から見てすぐに初心者だって分かったし、キョドってる感じが可愛くて…ついからかっちゃった」

美貴はほのかに満足げな表情を浮かべ、競艇場を後にする
「来月あの子たち、どうなってるかしらねー。ふふっ楽しみだわー」

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